ごあいさつ

 地域コトづくりセンターは、鹿児島大学大学院理工学研究科に本年4月に設置された学内で最も新しいセンターです。本センター設立の主旨は,南九州にある企業や団体等が地域にとって意義のある大きな事業や行動を起こし、それによって生まれる価値創造を地域に還元できるようなシステムを自らが率先して創り上げていこうとしている際に、その活動を積極的に支援することにあります。
すなわち,本センターでは,
@地域の活性化や地域産業の競争力向上に資する事業の創造と発展に寄与すること、

A上記事業の創造と発展に関与して地域の改革を積極的に推し進めることのできる
  イノベーション人材を育成すること

を目的とし、「地域創生・安全工学分野」、「環境・エネルギー分野」、「医療・福祉工学分野」、「先進物質材料開発分野」、「天文宇宙分野」の5つの分野毎に、その活動を開始したところです。

 このような状況の中、この度、本センター「地域創生・安全工学分野」から、下記のような主旨で、鹿児島大学で開発された「シラスコンクリート」等の鹿児島特有の資材を建築・土木分野で適切かつ有効に活用していくことで鹿児島の活性化に寄与することを目的とした「鹿児島の資材シラスの建設材料としての有効活用に関する研究会」の設置が、提案されました。

 本センターでは、このような地域の活性化と産業競争力の強化に資する事業に対してはこれを積極的に支援し,理工学研究科各研究室あるいは研究者個人のシーズと地域のニーズとのマッチングを推進することで、新たな技術開発と活用市場の開拓を行える事業化グループの形成を促すために、この度、標記のテーマでの本センター主催の第1回シンポジウムを開催することにした次第です。
つきましては、本シンポジウムを通じて、地域に密着した新しい技術開発とその応用に関する議論を深め、また、今後の地域活性化に資する技術については、それを積極的に利用するための方策についての知識を高めていただければ幸いです。


                                    
                                  地域コトづくりセンター長    武若耕司

   

主旨説明

南九州には、白色火砕流堆積物、いわゆるシラスが大量に堆積しており、その量は、鹿児島県内だけでも650m3を超えると推定されています。したがって、かなり以前から、このシラスの有効活用は、南九州の産業構造の変革および活性化の大きな原動力になるものと期待されていました。

特に、建設材料のように一度に大量の供給が必要な場合には、これが地元で供給できるか否かによって、建設費の縮減はもちろんのこと、地場産業の活性化にも繋がると期待されます。ただし、この様な潜在的付加価値のある資源を有効に活用するためには、産学官が一体となった取り組みも不可欠であります。また、得られた成果は、広く地域の活性化に反映できるものでなくてはなりません。このようなシラスの活用の1つとして、1984年に鹿児島大学で開発されたシラスコンクリートがあります。それまでのシラスの利用が、クレンザーや園芸用などの比較的小規模な活用に留まっていたのに対して、シラスコンクリートでは、コンクリート用の細骨材(砂)の代わりに多量のシラスを使用するもので、しかも、
シラスを利用することによりコンクリート構造物の耐久性がより高まること等のメリットも生まれました。また、この他にも、シラス砂を混合した緑化セメントブロックやシラス瓦なども開発され、現在,各所で活用されています。
そして、この様な状況を踏まえると、地域づくりの最前線にいる国、県、市町村等の行政機関、地元の各種企業、ならびに鹿児島大学等の研究機関が連携し、基盤整備におけるシラスの有効利用を推進していくことは、「鹿児島を中心とした南九州地域の活性化拠点形成」の実績をつくる上で極めて直接的であるとともに、シラスの有効利用の核となる重要な取り組みともなります。
以上のことを踏まえ、本シンポジウムでは、厄介者と言われ続けてきたシラスが南九州になくてはならない有効な資源・材料であることを県内外に広め、シラスを用いたコンクリートやその他の建材を如何に社会基盤整備に活用していくかについて、産・官・学それぞれの立場から、積極的に意見を出し合い,併せて、現在ならびに未来のシラス活用のあるべき姿と、これを実現させることによって鹿児島を含む南九州にもたらされる価値について、世に示したいと考えております。
                        
                                             地域コトづくりセンター 地域創生・安全工学分野長   山口明伸
 
時間

シンポジウムプログラム

8:458:50 ■開会の辞

 地域コトづくりセンター長  武若耕司
 
8:50〜 8:55 理工学研究科長 挨拶
 

  理工学研究科長  近藤英二
  
8:55〜 9:15  来賓 あいさつ
 鹿児島県土木部                  
 国土交通省九州地方整備局鹿児島港湾空港工事事務所 
 鹿児島県建設業協会                
 鹿児島県生コンクリート工業組         
 鹿児島県コンクリート製品協同組合
久保田 一 部 長
河合 弘泰 所 長
川畑 俊彦 会 長
 江夏 洋  理事長
松崎 秀雄 理事長
9:15〜 9:25 主旨 説明
 
  地域コトづくりセンター地域創生・安全工学分野長 山口明伸
  
9:25〜 10:20 特別講演:

「シラスの成り立ちとその性質(仮題)」

 鹿児島大学名誉教授 小林哲夫
 

 
休憩(10:2010:30

 

10:30〜 11:15 基調講演1:

「シラスコンクリート開発の経緯とその特徴」 
 
地域コトづくりセンター長  武若耕司
 
11:15〜 12:35

講演会1:「シラスコンクリート活用の事例」

 講演1 :鹿児島県の土木工事におけるシラスコンクリート活用事例紹介
         鹿児島県土木部技術管理室技術指導係   茅島浩一郎
 
 
講演2  :コンクリート二次製品へのシラスコンクリート活用の取り組み

     鹿児島県コンクリート製品協同組合技術委員長  河野道文
 
 講演3 :シラスコンクリート用シラスの製造について
         日研高圧平和キドウ()管理部 部長 馬庭秀士
 

 
 講演4 :建築用シラスコンクリートの製造と大臣認定について
         鹿児島菱光コンクリート(株)品質管理課長 桑水流靖彦

  


 
昼食(12:3513:30

 

13:3014:00 基調講演2:

「建築資材としてのシラス利用の在り方」 

  東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 教授 野口貴文
  
14:0014:30 基調講演3:

 シラスの全量活用への取り組みと今後の課題
 鹿児島県工業技術センターシラス研究開発室
室長 袖山研一
   

 
休憩(14:3014:40

 

14:40〜15:40 講演会2:「建設資材へのシラスの活用事例」
 
 講演 5:鹿児島市電軌道敷緑化事業〜シラス緑化基盤の活用例〜
      鹿児島市建設局 建設管理部公園緑化課 課長  池田 格
 
 講演 6:建築用塗り壁材へのシラス活用の取り組み
      高千穂シラス(株)代表取締役社長  新留昌泰
 
 講演7:屋根瓦の材料としてのシラス活用について
      (有)瀬戸口瓦工場 企画・広報担当 瀬戸口貴義

 
休憩(15:4015:50

 

15:50〜 17:20 パネルディスカッション:

 『建設資材としてのシラスの活用とその将来展望』
 
17:20〜 17:25 閉会の辞 :

 地域コトづくりセンター地域創生・安全工学分野長 山口明伸
 
日   時 平成28年1月29日(金)8時45分〜
場   所 鹿児島大学稲盛会館 (交流会は 教育学部 エデュカ)
定  員 200名程度(定員になり次第、締め切りますので、予めご了承ください。)
〆  切 開催日10日前の平成28年1月19日までにお申し込み下さい。
参 加 費 無料 但し 交流会に参加される場合は参加費2500円
交流会は事前の申し込みが必要です。下記、申し込み書に記載欄がございます。
申込方法 申し込み用紙は WORD形式  PDF形式 から

上記申し込み書に、ご所属・お名前・ご連絡先等をご記入の上、電子メール添付して下記宛にご返信ください。(※FAXはございませんので、電子メールにてお願いいたします。)

送付先:地域コトづくりセンター管理室  e-mail: koto-info@eng.kagoshima-u.ac.jp

(頂いた個人情報は本シンポジウムに関するご連絡、ならびに当センターからの今後の各種ご案内の送付以外には使用いたしません。)
●交通アクセス
・鹿児島市電「工学部前」電停下車。徒歩3分
・JR指宿枕崎線「郡元駅」下車、工学部正門まで徒歩約5分

※車でお越しの方は図書館前門からお入りください。
  (入って最初の交差点を左に曲がり銀杏並木通りを直進し突当り左手)

※学内の駐車場には限りがありますので、お越しの際はできるだけ公共
  交通機関をご利用下さい。

問 い 合 せ

 【問合せ】地域コトづくりセンター管理室
        TEL:  099-285-8487(階元)099-285-8271(大重)
      E-mail:  koto-info@eng.kagoshima-u.ac.jp